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執筆者の写真Keiori Takagi

分からないものを、分かりやすくなどしない。

更新日:1月29日

ここ20年ほどの自分は、昔ほど熱中するテレビドラマや映画はほとんどなくなり、新聞やニュースに書いてあることは表面でしかないなぁと考えさせられます。インターネットとSNSが流行り始めてからのことです。


大手メディアでは、心理学で扱うところの表面的なことが5~10%のところがワーッと報じられて。


起こった事象について直接的なことと、潜在意識下での90~95%のところはある程度自分で関連付けていくのが当たり前になりました。


ホンマはどうなん?とか自分の中で違和感がぬぐえなかったり、あるあるなのが、裏で不都合なことがあって予定調和が保たれているのでは?と疑ってみたり。


自分では考えつかなくても、誰かがつぶやいていることが「なるほど」「言えてるなぁ」と共感する機会があるからだと思います。気の置けない友人の話すこととか、SNSの書き込み、Youtube動画の良いところ。


表面的に分かりにくいことを、これは=こうなんですよ!と素早く、分かりやすく立場で要約することを求められることもあります。その通りにシンプルにしようとする一方、


分かりやすい答えを提示する必要はないと思えば、そのままでいることもあります。


昔の作品は、分かりやすい答えや結末がないままのもあって、そこが逆に切なさを助長したり、余韻があって。記憶に残りやすかったりするのかもしれません。


日本のドラマでも、みんなが簡単にレビューを書けるようになって、視聴者からの「何が言いたいか分からなかった」に合わせて、行間で見せたり、芝居や演出でほのめかしたりが通じなくて。


「分かりにくくなりそうなところは全部セリフに入れて、登場人物たちがまくし立てるみたいに全部喋ってしまう」ようにしていると、分からないは避けられるそうで。なにかの記事で読みました。


答えを決めないでいること、分からないなりに分からないままでいることにはたしかに精神力が必要だと思います。今は分からなくても、ずっと先に、忘れかけるほどあとになってから、


いくつになっても「あ~。あのときのあれは、こういうことを言っていたのね。」とパズルのピースがハマったときは猛省します。普段からもう、謙虚にしとくとちょうどいいくらいです。


調子に乗って分からんくせに、分からんなりに言い返さなくて良かった~アブナイ、アブナイ。


無知なのだから余計に謙虚になるのだろうし。

いつまで経っても子どもみたいに「分かるように喋ってよね」ってことだともはや大事なことを教えてもらえないんだろうし。


複雑なものを複雑なまま受け止められないでモノゴトが単純化されるのも苦手かもしれません。音楽でも、それ以外でも。


短時間に善悪や正しさが決まって、すぐさま「アンタが悪い」という攻撃になる。狭い人間関係とか、SNSで特定のモノゴトを叩きすぎるのは見るのは違うんだなぁ…距離を置かねば。

一長一短のパワーバランスの変化を見るだけで、なんにも解決になっていないことも多いです。


子どもが小さい頃、旦那と上手くいかなくて複雑なものになってしまった私をそのまま受け入れてくれた人に、いちいち説明などさせなかった粋な人に、私はいまだに感謝しています。


出来れば私も、複雑なものは複雑なまま。表にチョロッと出ている5~10%の部分だけにフォーカスしないで、それ以上に大事な90~95%の潜在的なところを察して動きたいです。


表面的なことばかり取り沙汰されて本質が分かりにくいだろうな...

なんも分からんと、分からんがゆえに攻撃されるだろうなぁと思ったら、


せめて私の見ている世界では自由に伸び伸びと過ごしてほしい。


分かりやすくなんて、

世の中のカレー全てをバーモントとジャワカレーの甘口で作りましょうみたいな。

色で判断するなら赤っぽいほうがバーモントで、緑がジャワ系ね。


タバコはやめて10年以上、お酒はホドホドにしているけど、

苦みがないというのも、あじけないじゃないって。思うのだけれど。


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