Def Lepard『Photogragh』を意訳しました。
- Keiori Takagi

- 7月3日
- 読了時間: 13分
去年に自分が主催したクリスマスイベント向けに、結成された『FUMIE』。
もう11月じゃん!クリスマスまでそんなに時間がない💦
なるべく早く、取り組む曲を決めましょうと、
私とギターのヒロキ兄さんで出し合った曲の中にDef Lepardの『Photogragh』がありました。これは、私が昔から大好きな曲なんです。やり取りを始めてみると、偶然にもヒロキ兄さんもレスペクトしているバンドとのことで、取り組むことになりました。
実際にはもう会えないのに、会えない人に恋焦がれる気持ち。
マリリン・モンローのような女性について書かれた曲だと、私が持っているCDの解説にも載っていたように思います。実際に、LIVE中にPhotographを歌う前に、そうやって語っているものもあって。
(It was) not so very long ago, there’s a lady who wears the name of Norma Jeane.
そんなにもの凄く昔のことじゃない。
ノーマ・ジーンという名前をまとう、ひとりの女性がいた。
She became a model and an actress. 彼女はモデルになり、そして女優になった。 She changed her name to Marilyn Monroe.
それから、彼女は名前を『マリリン・モンロー』に変えたんだ。
And in 1983, we wrote a song about her.
そして1983年、俺たちは彼女についての曲を書いた。
I mean girls like this.
――いや、意味としては、
彼女のような生き方をしたすべての女性たち(女の子たち)のための曲さ!
といったところでしょうか。(聞き取り&意訳:タカギカヲリ)
なので、Def Leppardの『Photograph』を語るなら、私はマリリン・モンローではなく、ノーマ・ジーンから始めたいです。
実は、タカギ自身も、子どもの頃から彼女に惹かれ、
彼女について書かれた本を数冊読みました。
元々は、昔よく観ていた『知ってるつもり?!』というテレビ番組か、NHK特集などのドキュメンタリー番組で観たと思うんですけど、
オードリーも好きですが、昔からマリリン派です。
なんで、自殺なの?とか、つまりなにが知りたかったかというと、
華やかなスターの人生ではなく、その奥にいた一人の女性にフォーカスしていました。
Photographの主人公が愛しているのは、
映画会社が作った"マリリン・モンロー"という偶像だけではなく、
その奥にいた一人の女性を丸ごと受け止めていますよね。
施設を転々とした少女時代
読書家で、知的だったこと
女優としてお芝居も、歌も真剣に学び続けたこと
「セックスシンボル」として消費されることへの葛藤
そうしたノーマ・ジーンの人生ごと、好きなんだなぁと思うと泣けてきます。
そんなにもマリリンが好きなPhotographの主人公に、私も惹かれる。
なぜなら私も、マリリンが好きだからです。
あとになって、彼女のIQはとても高かったということを何かで知りました。
たしかに、彼女の数々の名言は、彼女の知性から紡がれています。
1952年の『Life』誌の取材で、
当時、記者から「夜は何を着て寝ているの? パジャマ? それともナイトガウン?」と聞かれたマリリンが、
「シャネルの5番を数滴だけ」と答えていたり。
この話が決定的な伝説になったのは、その数年後、1960年の映画『恋をしましょう(Let's Make Love)』の撮影中に、雑誌『Marie Claire』の記者からインタビューを受けたときです。マリリンは当時のことを振り返って、自分の声でこう語っています。
「みんな変な質問をするの。たとえば『夜は何を着て寝るの? パジャマのトップス? ボトムス? それともナイトガウン?』なんて。
だから私は、『シャネルのNo.5』って答えたの。だって本当のことだから!『裸で寝てます』とは言いたくないじゃない? でも、それが事実なのよ」
このインタビューの実際の音声テープがのちに発見され、シャネル(CHANEL)の公式CMなどでも彼女の生の音声がそのまま使われたそうです。
賢いなぁ!そして私は18の夏、サウスダコタのショッピングモールでおシャネルの『No.5』の匂いを嗅ぎました。こりゃアレだ、ちょっと、うちの母世代というか、授業参観日のマダムな感じね… 悩んだ末、その当時の若者向けにライトな付け心地になってリニューアル販売されていた『No.19』を買って、身に付けていました。それでもかなりハードルが高い香り(^-^;なかなかうまく纏えない。でも頑張ってつけて、毎日ルンルンでした。
数年前にはメルカリで『No.5』を譲ってもらいました。香水ですので混ざらないようになっているし、どこかのおうちで不用品となっているならうちに置いておこうよとwどちらも今となっては独特な、いい香り。
マリリンの死因については、陰謀論かもしれないけれど私も自殺ではないと思っています。そのときの権力にとって知られてはいけないことを知ってしまって、賢すぎたから消されたんじゃないかと。ケネディー大統領だって、あんなことになってしまって。
日本でも尾崎豊さん、三浦春馬くん、竹内結子さん。政治家の人を挙げたらキリがない。何か大きな秘密に触れてしまったから口封じされた、大衆を目覚めさせるような行動を起こしそうだから消された、なんてことはざらにあるのがこの世です。まったくもう。
マリリンの有名な言葉で、私はこれがPhotographにもつながると思っています。
"Imperfection is beauty, madness is genius and it's better to be absolutely ridiculous than absolutely boring."
(不完全さは美しさ。少し狂っているくらいが天才。そして、退屈であるより、思いきり滑稽であるほうがいい。)
嗚呼...まるでPhotographの世界観。
こういうことが言えるなんて。なんて賢い女性なんだ✨30年後に生まれる名曲を、彼女自身の言葉が全肯定しているかのようです。
完全に両想いじゃん。 そう思う、私の心も満たされます。 Photographは、私にとって単なる80年代ロックの名曲ではありません。昔から惹かれてきた人物像と、自分の声が不思議と重なった一曲でもあります。
この構造が、およそ30年の月日を経て、まさか、自分が歌ってしまうという形で昇華されるとは...当時の私には思い及ばないことだな….。
メタに語ると、若い頃の自分よ、好きなものは大いに好きでいてね。それが自分以外の何の役に立つものでなくても、お金にならなくても。自分が大好きなのであれば、大事にその気持ちを持ち続けるがいい...などと思うわけです。
ここで、『Photograph』のウンチクをおさらいで3つ。
1. マリリン・モンローは「後付け」のミューズだった?
ボーカルのジョー・エリオットが当時住んでいたアパートのトイレの壁に、穴を隠すためにマリリン・モンローのポスターを貼っていたのがすべての始まりです(まるで映画『ショーシャンクの空頭』みたいですね)。
プロデューサーのマット・ラングが「手に入らない究極の女性についての曲を書こう」と提案した時、ジョーがそのポスターを思い出し、「絶対に手に入らない。だって、彼女はもう死んでるんだから!」と言ったことでコンセプトが固まりました。
実はMV監督のアイデア:
バンド自身は「手の届かないアイコン( tragic female )」の象徴として彼女をイメージしていましたが、ミュージックビデオの撮影現場に行ったら、監督(David Mallet)が勝手にマリリンのそっくりさんを仕込んでいたそうです。
バンドは「おお、これで行こう!」と乗っかり、後に限定盤レコードのジャケットを「覗くとマリリンが見える3Dカメラ型」にするなど、完全にマリリンを全面に押し出したプロモーションを展開していきました。
2. マイケル・ジャクソンの牙城を「MTV」で崩した快挙
「マイケルの記録を塗り替えた」というのも、まさにロック史の大事件です。時は1983年、世界はマイケル・ジャクソンの大名盤『Thriller』の文字通り独壇場でした。
MTVの「最もリクエストされたビデオ」1位を強奪:
当時、マイケルの『Beat It』がMTVのチャートで絶対王政を敷いていましたが、この『Photograph』のMVが放送されるや否や、全米のティーン(特に女性ファン)が熱狂。マイケルの『Beat It』を蹴落として、MTVの「最もリクエストされたビデオ」第1位に輝いたのです。
ビルボードでの戦い:
ビルボードの「Mainstream Rock」チャートでも、この曲は見事6週連続1位を記録しています。
ちなみに、この曲が収録されたアルバム『Pyromania(炎のターゲット)』は全米で爆発的に売れましたが、ビルボードのアルバムチャートでは、惜しくもマイケルの『Thriller』に阻まれ、数ヶ月間ずっと「2位」に甘んじるという、あまりにも高レベルすぎる伝説のデッドヒートを繰り広げました。
3. 実は「リンゴ・スター」のオマージュから始まった?
プロデューサーのマット・ラングが、最初に持ってきたフレーズが「All I’ve got is a photograph(俺の手にあるのは写真だけ)」でした。
これを聞いたジョー・エリオットは、「それ、リンゴ・スターの曲(1973年のヒット曲『Photograph』)と同じじゃん!」と突っ込んだそうです。
するとプロデューサーは「誰も気づきやしないさ(Nobody will ever notice)」とケロっと返し、そのまま制作が続行され、見事にハードロックの歴史的名曲へ化けさせました。
♪Every time I see your face...
で始まるリンゴ・スターのPhotograph。
♪I see your face every time I dream...
と曲の途中で出てくるDef LepardのPhotograph。
両方の曲に、 ♪All I've got is a photograph...
が出てきます。すごい!
1と2は、私も知っていましたが、3は今回掘り下げたら出てきたのでビックリ。 手の届かない死せる大スターへの狂おしい執着、そして当時のポップ界の絶対王者にロックで殴り込みをかけたという背景を知ると、この曲の持つ「ギラギラしたハングリー精神」や「切なさの熱量」がさらに立体的に見えてきます。
まさに「主人公を背負って一緒に叫ぶ」には最高のシチュエーションが揃った名曲です!
Photograph
(意訳:タカギカヲリ)
[Verse 1]
運に見放され、愛にも見捨てられた
手元にあるのは、あいつの写真だけさ
男を狂わせる罪な女、刺激が強すぎるんだ
俺が触れたいのは、世界中でただ1人、お前だけなのに
夢を見るたびに、お前の顔がちらつく
どのページをめくっても、どの雑誌を開いても
あんなに自由奔放で、俺の手の届かない遥か遠い場所にいて
お前がすべてなんだ、俺の哀しいファンタジーだけどさ
[Pre-Chorus]
なあ、見てくれよ、お前のせいでこのロックンロールの道化師が
どんなに惨めな姿になっちまったか
おいおい、自分のしでかしたことを見てみろよ……
[Chorus]
写真なんて――お前のそんなもの、欲しくなんてないんだ!
写真なんて――お前のそんなもの、必要ない!
写真……俺の手元にあるのは、たった一枚の写真だけ
だけど、そんなものじゃ全然足りないよ...
[Verse 2]
もしお前がそこにいてくれるなら、喜んで恋人になる
なんなら、お前の抱える傷や痛みを俺にぶつけてくれたっていい
本当に、スタイルを持った女だよ
どんな男だって、お前の前では子供みたいな気持ちにされちまう
お前には、俺をがんじがらめにする何かがあるんだ
全てがミステリーに包まれていて
あんなに自由奔放なのに、俺の手の届かない遥か遠い場所にいて
お前がすべてなんだ、俺の哀しいファンタジーだけどさ
[Pre-Chorus]
なあ、見てくれよ、お前のせいでこのロックンロールのピエロが
どんなに惨めな姿になっちまったか
おいおい、自分のしでかしたことを見てみろよ
お前を独り占めしたいよ!
[Chorus]
写真なんて――お前のそんなもの、欲しくなんてないんだ!
写真なんて――お前のそんなもの、必要ない!
写真……俺の手元にあるのは、たった一枚の写真だけ
お前のすべてが、真っすぐに俺の頭にガツンときっちゃったのさ
[Guitar Solo]
[Pre-Chorus]
なあ、見てくれよ、お前のせいでこのロックンロールのピエロが
どんなに惨めな姿になっちまったか
おいおい、自分のしでかしたことを見てみろよ
お前を愛したいんだ!
[Chorus]
写真なんて――お前のそんなもの、欲しくなんてないんだ!
写真なんて――お前のそんなもの、必要ない!
写真……俺の手元にあるのは、たった一枚の写真だけ
お前に、触れたいんだ……!
写真しか残されていないほど遠い存在なのに、それでも想い続けてしまう人。
私は、マリリンを愛した主人公の、そのどうしようもない気持ちに心から共感したんだと思います。
単なるハードロックの1曲ではなく、誰かを想うことの切なさや、人が「偶像」に託してしまう感情まで含めて歌い上げたいところ。 最近、私自身が歌についてなにか聞かれたときに、
「自分にとって歌はその人になりきるというより、曲の中にいる人物の人生を一度自分の中に通すような感覚」と話すことがあります。
Photographでも同じで、私が通して見えてきたものはマリリンであり、
マリリンを失い、それでも心が離れない人物でもあり、
会えもしない女性に恋焦がれている人物に共感する自分でもあり、
マリリンのように生きた全ての女性、女の子に、
『ステキすぎるー!!』
『最高にロックしてるぜー!』と全力で歌い上げるようなものなのです。
そして、あのサビ。
ギターのメロディー。
♪チャララチャーララ……
♪チャララチャーララ……
あのメロディーを聴くたびに、私は何とも言えない気持ちに。
手に入りそうで入らない、追いかけても追いかけてもすり抜ける…
ずっと、ずーっと。繰り返してしまうのです。
切ないのに、夢を見ているようで。
苦しいのに、何度でも戻りたくなる。
そんな不思議な高揚感。
あの数小節を聴くたびに、また何度も何度も聴きたくなる。
あのサビの瞬間に、長いこと生きられたらいいのにとさえ思うくらい、
私にとってPhotographは、そういう力を持った曲です。 というのはこのサビのギターに対するメロディー部分が、私の声と共鳴しやすいゾーンであり、難しい話、そもそも論、 一般的な女性ボーカル
「一番自然に響く帯域(テッシトゥーラ)」は、
おおよそ
E4~F4付近
人によっては D4~F♯4
あたりに集まることが多いそうです。
ところが少し前にインターネットで調べ物をしていて見つけた『音域診断』をやってみたところ、タカギの測定結果では、
発声しやすい音:G4
音の差でいうと
E4 → G4 = 短3度(半音3つ)
F4 → G4 = 長2度(半音2つ)
つまり、
一般的な女性より約2~3半音ほど「安定的に耳心地よく鳴る場所」が高いんです。 これはゴスペルクワイアで歌っているとよくある光景なのですが、
ゴスペルでは高い音域を地声で鳴り響かせるナンバーが多いんです。 日本人女性と違い、おそらく黒人女性の一番自然に響く帯域(テッシトゥーラ)が少し高めなのではと、体感から分析しています。 カッコいいから歌ってみよう!とゴスペルグループで選ばれた曲を合わせてみると、最高音付近を私と数人だけが裏声に返さず地声で踏ん張って歌うことがあります。ほんの1~1.5度だけ他の人より地声が高めであることが、結構重要だったりします。 昔半年ほど在籍したクワイアでは、私1人だけが声の太さを変えずに歌える曲がありました。練習後に録音で振り返っても、声の厚みをほとんど弱らせることがないから、「あなた1人で10人分以上」と「一緒に歌っていてとても心強い」と言われました。
私のような地声高めの人をクワイアに置いておくと、全体の声の厚みを補強する役割を果たせるだろうと、普段はソロワークが多いからこそソリストになりたいような気持ちは薄く、声の厚み担当をやってみることがあります。
今でもゴスペルや讃美歌などを歌うグループに属しているのは、せっかく神様や仏様、目に見えないすべてのご縁や繋がりの中で、地声が高めに生まれているのだから、声でなにかしらの恩返しがしたい、お役に立てることがあればやってみよう!という想いからです。
そして、このPhotograghという曲もそういう曲なんです。
歌うときに、たった2半音違うだけで、「もうしんどい💦」になる人は珍しくありません。
音域だけではなく、声量もそれなりに必要なため、人によっては歌い切る前に酸欠状態でしょう。
私の場合は、Photographのように
G4
A4
B♭4
C5
D5
が何度も出てくる曲でも、「高い!」というより
「ここが一番鳴る」という感覚になる。
FUMIEの選曲についてやり取りをしているときにも参考にしました。
私から「こんな曲はどうでしょうか?」と候補に挙げた曲にはTOM☆CATさんの『Tough Boy』などありましたが、この要素があるものがいくつかありました。
日本人の女性がサビなどで一緒に口ずさめるような、
わりと知っている人が多いキャッチーな曲。
それだけで選ばれるならば、FUMIE以外のバンドでも成立するけれど、
高音部分を裏声に返すことなく、地声成分多めで歌い続けることが出来る曲で、
パワフルに歌い上げる必要のある曲は、私に任せてや~☆
というような趣旨であると、強みが自然と出るでしょう。
PhotograghもTough Boyも、喉のコンディションが悪いときには私も裏声に返しています。そういうときには無理はしないで乗り切ったほうがいいだろうなぁ。 そのときの環境や体調の変化で難しい難曲かもしれないけれど、FUMIEならではのレパートリーとして挑戦し続けようと、筋肉をもっとつけたいです(^-^;


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