Cynthia Erivoの声質は、黒人歌手の系譜に則っているけれど、
最近の彼女は特に、パッと聞くと白人シンガーっぽいアプローチで歌っているかもしれない。特に映画『Wicked』の緑の魔女エルファバ役に決まってからは、もしかしたら意図的にそうしているのでは。
ちゃんと伝わるように英語で歌いすぎると、日本語英語に慣れている人から「クセが強すぎる」「(日本語という言語にはあまりない)揺れが」とか言われるので、そういう集団ではカタカナ英語で歌うことにしたり。
一気にアジもへったくれもないオボこい合唱団の声になるけども。そっちのほうが聴き馴染みがある、可愛らしくて素直でいい、なんて言われながら調整して調整して、やってみることもあります。
私の周りでも自分らしさや出自、シンシアだとアイデンティティを覆さないと歌が思っている人に思っているようには届かない恐れがあるとなると、真剣に考える瞬間はたしかにあります。
だから これ以上に幸せなことはないの
違うの、これより嬉しいことはないのよ
それはそうだけど 認めるわ
ほんとにちっちゃいことなんだけど
予想していたものと違ってた
でもこれ以上嬉しいことはないの
単純に、幸せなことはないのよ
まあ、「単純に」ってわけでもなく
だって夢を手に入れるんだから
不思議だけど、どうやらそうみたい
ちょっと、まあ、複雑なの
ある種のコストがかかるような
失われるものがいくつかある類いの
あなたが渡るべき橋がいくつかあって
自分が渡ったことに気付かなかったの
渡り切ってしまうまで
そしてもしその喜びが、あのスリルが
考えていたほどワクワクしなくても
それでも、この完璧なフィナーレで
歓声と大騒ぎ この状況より
幸福に思うコトってないんじゃない?
だからこれ以上幸せなことはないの
だって幸せなことは あなたの夢が
全て叶うときに起こるものだから
だって、そういうことでしょう?
幸せなことっていうのは あなたの夢が
全て叶うときに起こるものだから
(対訳 タカギカオリ)
英語的な表現が続くのと、Wickedのエルファバが賢いお嬢さんで皮肉な笑いを誘うのが得意だったりするので、その傾向が歌詞の中にもちりばめられています。
お腹に力が入ったりする黒人のソウルシンガー的な歌唱が苦手な日本人も多いかもしれない。特に男性。女性はパワーでねじ切る系大好きなのに。日本の男の人はロリコン傾向が強いとも世界的には言われているらしいし。強い女性とか、歌の世界であっても要らないんでしょうね。あまり求められない。
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