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執筆者の写真Keiori Takagi

セッション With ムーア・ファミリー

先週末にドン・キホーテ梅田本店の横でお会いして、

ありきたりな応対では旅の思い出にならないだろうからと、

面白い方向へいけばなぁとせっかくなので内容を詳しくお伝えして、

ぜひ一緒に音楽しましょうよとお誘いして。


ムーア・ファミリーと日曜の集まりでは本当に楽しかったです。

お別れした翌日に淀屋橋で泊ってから東京に行ったと思ったら、

昨日にFBのタイムラインに奈良の鹿の写真がUPされていて。


奈良に居るのかしら?

私は今から奈良付近のSessionに行きますよとコメントして。


あそこらへんのバスは日本人でも分かりづらいから、

写真付きで住所とか情報をお伝えしましたら、

4人で遊びに来てくれました。


ちょっと用事で遅れたので早歩きで奈良市庁周りを歩いていたら

まりこさんから電話。

「タカギさんのお友達が、4人ほど来られていますよ~」と。

オーストラリアのシドニーから旅行に来ていて。

今回は上のお兄ちゃんも来ていたから、

お父さんもお兄ちゃんもドラムを叩いてくれました。


お店に到着すると福田さんと小畠さんも。

リースくんがオーストラリアからトロンボーンを持ってきていないから、

またマウスピースで入ってくれるのかなと思っていたら、


なんと、福田さんが愛用のフリューゲルホルンを貸してくれるとのこと!

しかもビンテージのやつです…ちゃんと“ちょっと値段するやつなんで、

気を付けてね”とその旨伝えて。

福田さんにお会いするときは、

いつもフリューゲルとテナーサックスを持ってきているから。

ちゃんとマウスピースを洗って消毒して。


リースくん実はトランペットのほうがベターに吹けるんだよと。

なるほど…。なにげなーく吹き始めたのが酒バラで、

素晴らしい音色で。みんなでSessionしました。


音が濁ったときのやり方がトロンボーンとは違うらしく、

福田さんがやってくれて、本当になんとお礼を言っていいやら。

小畠さんも英語分かるから一緒に状況を伝えてくれて、

フリューゲルホルンにテナーサックス、アルトサックスと、

そしてドラマーが仲谷マスターを含め3名で、

ピアノのまり子さんとベースの武良さんと、

大変にぎやかな夜になりました。


ノンジャパニーズだからちょっとした習慣の違いなどはあるけれど、

せっかく来たのだから沢山演奏してもらったらと配慮してくれて。


仲谷マスターをはじめ皆さまが優しくて。

普通にまり子さんが英語で自己紹介とか完璧で会話していたり、

違った一面を知ることができました。

武良さんは相手が日本人でもそうでなくてもいつもの感じで。

音で会話をするということに集中して、

より良く“Make Music”するためにさりげな~く仕切ってくれて。


日本でも若い子も漫画やアニメのブームに乗って、JAZZカッコいい!

みたいに自分でも演奏し始めたりする。オーストラリアでもそうなのか。


個人的にお会いする若い子も中年世代も、

ちょっと言葉を選ぶのが難しいけれど

非常に若々しい音運びというか、ん~日本人全体が幼いから…なのか。


ボーカルでも、どんな声質、年齢の違いはあれど成熟とは程遠く、

それでいいんだよという人も多いけれど、

私の歳も歳だからちょっと子供っぽく感じることもあって。


全然擦れてない、素直な歌唱もありなのは分かっているが、

私が聴きたいのはMatureな(成熟した)ものなのだと思う。

好みの問題からして、圧倒的多数のリスナーと違うものを違ってしまう。



その点、リースくんの音は目をつぶって聴くと16歳だと思わなくて。

とても成熟していて、表面的ではないものが伝わってきて。


目を開けていても、内なる心がほぼ完全にオープンに出来ている。

逆に目が合うと心を見透かされているみたいで、恐れ入りました。


自分の若い頃を振り返っても少なからず経験したことで、

欧米の国では目と目が合うだけで意気投合して、

ナンパというか、カップリング成功…みたいになることもあるけれど、


そういう文化があまりないような、本来の自分自身が育ちにくい環境では

なかなか難しいことだなぁと見ていて思わされる瞬間がありました。



日本人特有の、みんなで一丸となって、

あまり考えないでマシンみたいにやっていく感じだと、

あとになって1からどうしたいか組み立てる、創造するのは

簡単なことではないんだなぁと。


(例えばアドリブソロ、スキャットなどが

結局のところプロレスみたいなほぼ100%仕込みになるし。)


そのあたりをどないか出来ないかとのらりくらりやってきて、

まだまだ封印が解かれる機会というのは少ない。



それはもちろん環境のせいでもある。

この人たちとなら普通に出来る…という、

その時々の皆さんとの信頼関係に左右される。


逆に、日本の年齢を重ねたミュージシャンのあの感じは、

若い人、若い集まりでは起こらない熟成されたものがある。


武良さんも仲谷マスターも、福田さんの楽器をめぐるやり取りも、

かなり粋な人だなぁと思わされる瞬間があり、

そりゃ言葉で言い表せないカッコよさがありました。


私個人としても、

経験豊富な人に囲まれて音楽をご一緒することの方が

勉強になることが多いなぁ。


いつものひとときが過ぎるかなと思っていたらとても特別な、

思い出深い時間となりました。

お集りの皆さま、ステキな時間をありがとうございました!

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