深みがないからミステリーもない。浅い。
特徴を掴まれやすい=真似されやすい…ともいう。
音楽でいろんな人とご一緒させてもらって、
ご一緒してもらえることが嬉しくて。
こんな時代に突入しても相も変わらずにぎやかにさせてもらって、
本当に幸せなことです。
いろんな現場があって、いろんな方にお会いして、
スタイルのある人に惹かれます。
その人は目立つ人かというとそうではなく、
どちらかというと控えめで目立たない。
妙にヘンテコロリンな出で立ちではなく、普通の人っぽいです。
いたって普通にやってきて、音を奏でて、私を惹きつけます。
あんまり努力をしているところとかは想像できないくらい涼しい顔で、
我の強そうな演者さんに合わせるのも上手で。
淡々と自分の役割をこなして、人には無関心なのかもしれない。
言葉数も少ないから変に敵を作らないし、
音以外のところでは不器用なのかもしれない。
教養があるから、ポンポン次から次に言葉にはでないところもあり。
教養のない人がみんなにウケていると勘違いする下ネタや身内イジリを
華麗にスルーするスキルも持つ。
いい意味で人に無関心だけれど、1音、1音に魂がこもっていて、
私の心に居場所を作らせるほどの感性があります。
すぐ出せるようになる音、あまり意味はなく、ありふれた音と、
本当の意味で洗練された音の違いを聞き分けて。
その違いを聞き分けるには今まで聞いてきた音楽、
培われた経験とか、ある種の研ぎ澄まされた感覚が必要で。
例えば、背脂たっぷりのラーメンが1番うまい!
と行列を見つけては並ぶのか、
栄養抜群、無農薬野菜を使った、少しお値段はするけれど、
本当に美味しいお料理とどちらを選ぶのか…その感覚に近いかも。
あきられるのはイヤだから、
毎日食べて体によい野菜を使ったお料理がいいな。
分かりやすく味の素やめんつゆがたっぷり入っている
分かりやすいうま味のこってこてなお料理と、
昆布と煮干しから取ったお出汁と優しい野菜の風味のお料理と。
ガッツリうま味を感じたとして、それが偽物やと分からない人ではない。
昆布や煮干しなどで取ったお出汁を見破るだろうし、
野菜のうま味も分かる人には分かる。
ワサビやブルーチーズのうま味を理解する大人な舌を持ちながら、
唐揚げやハンバーグ、カレーライスばっかり食べさせられたら、
お子様っぽいなぁと物足りなく感じるのと同じで、
音楽にだって分かりやすい音楽と、
ちゃんと聞き分ける耳や感性がないと違いが分からない類のものがある。
普通に作った唐揚げやハンバーグと、
衣やひき肉、ソースにこだわった違いが分かる人向けのお料理と。
その間にだってもちろん違いはあるだろうし。
みなまで言わないけれどどういう音楽が心に響いて、
どういう歌が好きで、あるいは歌いたくて…というのは、
その人の感性や教養に影響されるのだろうなぁ。
その観点から、分かる人だけにちゃんと分かってもらえればと思うし、
教養の無さそうな人に支持される分かりやすさは、避けておきたい。
いろんな人に音楽の現場で会うけれど、
演者さんもお店の人も、
ある一定の理解があるならばやり取りがスムーズだ。
私がいいなぁとスタイルを感じる人ってやはり、
聞き分ける力のある人に引き立ててもらっていたり、
応援してもらっていたりして。
長い目でみるとより違いがハッキリ出ていて。面白いです。
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