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執筆者の写真Keiori Takagi

得意なフィールドと不得意なフィールド

更新日:2023年1月26日

いろんなジャンルを歌ってきて、得意なフィールドはFUNKやGROOVE系、黒い系洋楽なんだろうなぁと自覚しながらやってきました。


特にChaka KhanやJocelyn Brownなどのパワフル系では自分でいうのもなんやけど女性陣からの反応がすごく良かったり。色々です。


不得意なのは。。。JAZZ VOCALかもしれません。特に、日本社会における位置づけの、JAZZ。


BIG BANDのボーカルを引き受けておいて(^-^;こんなことを思っていて。


歌っているとたまに外国からお越しのお客様に会います。雑談していると、「君の歌、ちゃんと英語に聴こえてるよ!」、「なにを歌ってるのか僕たちでも分かる。」と、何人か感想をくれました。


一応、英語圏の人が聴いてもちゃんと伝わるように、想いが届くように調整させてもらっています。


昔、NYのコットンクラブで歌とピアノを演奏されている加茂紀子さんのワークショップに参加しました。


Tom Bakerさんのライヴにも聴きに行って。


ライヴ終わりに加茂さんが話しかけてくれたので、いつも不思議に思っていることをぶつけてみました。


「私には、日本で活躍しているボーカルさんのうち、特にアマチュア~セミプロの方で英語が全く英語に聴こえない方が多い。」


発音を丁寧に考えすぎて、すごく、すごーーく丁寧に歌ってらっしゃる方は逆にリスペクトするんです。嗚呼、好きなんだろうなぁ。って素直に思う。


そうではなくて、この場合全く何を歌っているのか分からないパターン。


「誰かがお風呂に入って歌っているのを、洗面所辺りでもや~っと聴いているような、変な感じなんです。」


これは、今でも変わりません。そのとき加茂さんに私の両の耳を触られながら、「いいじゃないの。あなたにはその違いを聞き分ける耳がある!でしょ?」と。


一方、JAZZは音の響きや!英語なんか喋れんでもよろしい!!みたいな先輩ボーカルさんは多数おられます。


一番ヤバかったのが、英語の先生をされている方で、もうめちゃくちゃバイリンガルな方に向かって文句を…というか持論を展開しだしたベテランボーカルさんを見かけました。


そしてそういうボーカルさんってたしかに、響きを重視されている。


でもね、こんなことを言ってほんと個人的なことなんですけど、そういう響き重視の歌い方に一定の特徴があって。それが、私苦手なんです。


昔、インターネットで調べ物をしていたときに書いてはる人が居ました。ジャズボーカルに詳しそうな方の記事なんで、よくチェックしていました。



その方曰く、『日本のJazz Vocal のリスナーは勘違いしている。』と。


『ちょっと独特なダミ声で、カエルの鳴き声みたいにキィキィ歌うの=JAZZ』と、どこかで間違っているリスナーが一定数いるらしいです。


具体的に言うと〇〇コ・〇ーさんとか、〇戸〇〇さんの名前を引き合いに出して、



「もうこういうのがJAZZ Vocalっていうの、いつまで続けるんですか。日本だけですよ。」みたいに。


業界全体に対して警笛を鳴らしてはりました。


問題があったのか、最近探してもその記事自体が消されて見つからないけれど。



それこそがまさに、私の苦手なアプローチなんです。Ella FitzeraldだってSarah Vaughanだって、


いろんな肌色のいろんなルーツを持つVocalさんがいる中で、日本だけなんでこんなことに?と不思議です。


そして声の高めの私が歌うと、『あなた、北欧系のジャズが好きなんじゃない?』、


『最近のやつとか聴いてるでしょ?』と言われてしまいます。



3.5オクターブはキッチリ出せるボーカルレンジがあります。


マライア・キャリーみたいに、かろうじて出ているホイッスルボイスを拾い出せれば、4.5オクターブも可能です。(←毎回キッチリではなく精度は落ちるけれど💦)


タバコやお酒で声が潰れていたり、もともと持っている声帯の持ち味から、


出ない音域がある中で自分の得意な曲を見つけて歌っていくことは大事です。



その上で、個人的には抜群の表現力の引き出しと、声に幅があって飽きさせない人が大好きです。


高めの声のJAZZ Vocalやったらあかんのでしょうか。



私は古い考え方の人を相手にせず、新しい方向性を模索したいです。



あともう1点、


これはマインドの話なんだけど、


Jazz Vocalさんって、生きている辛さをどこか笑いに繋げているところがあるんです。


ビリー・ホリデイだってエラだって。どんなに手痛い失恋の曲でも、


悲嘆に暮れすぎてはいない。そういうポジションものだと思っています。


どんなに痛手でも、結局は笑って跳ね返す途中みたいなマインドを持っている。


ブルーなことをブルーなままつらつらと歌うのがブルースだと。


明るい側面なんて見ようとしないで、延々嘆き悲しむような歌詞が続くのが…ブルースシンガー寄りのものかな。


だから、あまり楽しそうな顔をしないで歌うジャズはどちらかといえばブルースだと、私は判定しています。


若干つまんなそうな歌い方をするのも、ブルースシンガーだとカテゴライズします。



でもどんなJAZZスタンダードもアンニュイに、ブルージィーに。若干つまんなそうに歌うのを『これぞジャズやな! 』って、言わはる人にたまに会うんですが…


『私の男はメッチャ意地悪で 全然優しくしてくれないのよ…


私の男はメッチャ意地悪で 全然優しくしてくれないのよ…


私の男はメッチャ意地悪で 全然優しくしてくれないのよ…』


ビリー・ホリデイが歌っていたっけ。彼女はブルースでありジャズであり。カテゴライズなんて野暮。Lady DayはLady Dayです。


だけど、ダメ男に辱められてるって分かってても、別れる勇気も元気もないダメな私…みたいなマインドで歌われる場合=ブルース寄りだと思います。


改善策とか考えたら、持ち出したらあかん雰囲気で。


変わりたくても変われない自分を歌にするような。


Jazz寄りだともう少しカラッとしていて。


ま、そんなことがあってもあたしは幸せになってやるんだから♪


みたいなお気楽なノリが追加されます。


ここら辺がソフィスティケート(洗練)されている。

そこを、大事に歌っていけたらと思います。


Bluesはどちらかといえば粗削り。 Jazzは、背伸びしているのかもしれないけれど、少し洗練されていると思うし、そうあってほしいです。


Bluesはブルーな案件をみんなで泥試合のように共感しながら進行していく。


(それが悪いと言っているわけではない。立派な芸術だ。)


Jazzは、落語と同じで人間の業の肯定です。嘆いてばかりでは始まらない。


粗忽ものでもなんでも、生きていくんだどこまでもと、


お互いを励まし合うことが出来ると信じています。


だから、JazzのBig Bandをバックにした歌の人の音源を聴いていたら、元気になるんじゃないでしょうか。


Bluesもたまにはいいけど、一緒に嘆き悲しんで堕ちていきそうで。


長居はしない方がいいかも。


活動しながら、自分の声と体全体で、


日本独特にローカルで脈々と受け継がれるこれぞJAZZ!の幅を広げたいです。


そして、幸せになるためにいろいろ改善していきたいタイプなので。


失敗には学びたいし、昨日より今日をより良く生きたいので。



ただブルーなことをブルーに歌うことだけは、やらないぞっと。


そういう根っこを、ブラすことはありません。



タカギ以前、


タカギ以後。



可能性を広げて、もっといろいろ変えていきたいです。







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