重盛は平家の良心と言われるくらいバランス感覚がある、ということは表面的に取り繕った人のお腹に抱えているものが、普段の物言いや相手の顔に書いてあるように見える人だったのかも。ところがビワの目は澄んでいる。ビワも、重盛を知るうちに少しずつ「嫌ではない、むしろいい奴」だと思っていたはずで。シンプルな好意。だから、癒されていたはず。
私だって、商取引を仕掛けてこない人は貴重だ。一つ一つのやり取りが実はビジネス絡みというオチも少なくない中、良いも悪いもなく、変に取り繕ったりせず、素直で。人間だから弱いところがあって、そこを恥じて隠しているとかはまあまああることなんだけど、その他においては子供のように無邪気な人には近くに居てほしい。例え、その人物が特定の人から訝しがられていても。
こっちに繋がっといた方がいろいろメリットがありそうだから~とか、あの人ヤバいみたいだから付き合わない方がいいと思うよ~って言われて距離を置いたりは...あまりないことかも。もっとシンプルに、実際ヤバかったとしよう。でも私に対してはそうでもないんやけど。いやいや、理由は分かるんやけどね。と、この場合はどう思われるかなんて私だって忖度せず。
その他大勢に変わってるなぁ、変わった女だなって思われようが、そりゃその立場に立ってみな分からんことかもなって感想を持ちました。
逆の立場でもそうかも。私の方がビワのように身分などなく、お相手がメチャ偉い人で、そんなんじゃ気が緩まらないのではと冗談ばっかり言いながらなんとなく近づいたり。そのとき外野はめちゃめちゃうるさかった経験もある。当人同士はただただ、他愛ない会話やひとときを楽しんでいるだけで。
あの人と親しくすべきではない、身分をわきまえて...みたいに言ってくる人たちがいた。が、親しくなってからは逆に、自分も飲み会に誘われたくて私に調整を持ちかけてくる…等々。商売に利用されるみたいで、飲み会の調整自体止めてしまった。
今となっては苦い思い出だけど、いつかまた時が経てば、その方とまた会えそうな気がしています。根拠のない、自信だけど。きっとそうなんだと思う。
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